災害対策基本法をわかりやすく解説!②【「防災とは」「災害とは」が載っています】

こんにちは。管理人のTaizanです。防災に関心のある方には一度は読んでほしい「災害対策基本法」について10回に分けて解説します。

法律と聞くと「読むのが難しそう」「一般人にはあまり関係ないのでは?」と思われるかもしれませんが、国の災害対策の考え方がわかりますし、「防災とは」「災害とは」についての説明や、私たち一般住民が努力すべきこと、知っておくべきこともたくさん載っています。さらっとで良いので読んでみることをおススメします。

このページは解説の第2回目です。10回の解説の中で、災害対策基本法の歴史や概要、近年の改正についてなるべく簡単にまとめていますので、他の記事と合わせてぜひ一度ご覧ください。

災害対策基本法の6つの項目

第三条から後は、内閣府作成の「災害対策基本法の概要」に倣い、この法律を6つの項目に分けて説明しています。その6つの項目とは、以下のとおりです。

①防災に関する責務の明確化
②総合的防災行政の整備
③計画的防災行政の整備
④災害対策の推進
⑤激甚災害に対処する財政援助等
⑥災害緊急事態に対する措置

特に内容が濃いのは4つ目の「災害対策の推進」です。この項目の中に第二条第二項にも出てきた「災害予防」、「災害応急対策」、「災害復旧」のそれぞれのフェーズにおける具体的な対策について書かれているため、分量がかなり多くなっています。もしかしたら記事分けるかも知れません(笑)。

内閣府作成の「災害対策基本法の概要」については、下記のウェブサイトをご覧ください。

http://www.bousai.go.jp/taisaku/kihonhou/pdf/kihonhou_gaiyou.pdf

防災に関する責務の明確化

内閣府作成の「災害対策基本法の概要」全6項目の1つ目は、「防災に関する責務の明確化」です。概要の資料には、以下のように書かれています。

国、都道府県、市町村、指定公共機関及び指定地方公共機関には、各々、防災に関する計画を作成し、それを実施するとともに、相互に協力する等の責務があり、住民等についても、自発的な防災活動参加等の責務が規定されている。

災害対策基本法(昭和36年法律第223号)の概要

国と地方自治体、その他の公的な機関には「計画策定」と「相互協力」の責務があるようです。また、住民が果たすべきいても責務が定められているようですね。

国の責務

国は、第二条の二に定められた基本理念に則り、国土や国民の生命、身体、財産を災害から保護する使命があり、組織および機能の全てをあげて防災について万全の措置を講ずる責務があります(第三条第一項)。そして、この責務を遂行するため、災害予防や災害応急対策、災害復旧の基本となる計画を作成し、それを実施しなければなりません。また、地方公共団体や指定公共機関、指定地方公共機関等が行う防災に関する事務や業務の推進と総合調整を行わなければなりません。また、災害対応の経費負担の適正化を図らなければなりません(第三条第二項)。
指定行政機関や指定地方行政機関は、所掌事務を行う際には、第一項に定める国の責務が十分に果たされるよう相互に協力しなければなりません(第三条第三項)。

都道府県や市町村等の責務

都道府県は第二条の二に定められた基本理念に則り、都道府県の地域や住民の生命、身体、財産を災害から保護するため、関係機関や他の地方公共団体の協力を得て都道府県の防災に関する計画を作成し、それを実施する責務があります。また、都道府県内の市町村や指定地方公共機関が行う防災に関する事務や業務を助け、総合調整を行う責務があります(第四条第一項)。
都道府県の機関は、所掌事務を行う際は、第一項に定める都道府県の責務が十分に果たされるよう相互に協力しなければなりません(第四条第二項)。

市町村も同様に第二条の二に定められた基本理念に則り、市町村の地域や住民の生命、身体、財産を災害から保護するため、関係機関や他の地方公共団体の協力を得て都道府県の防災に関する計画を作成し、それを実施する責務があります(第五条第一項)。市町村長は、第一項に定める市町村の責務を遂行するため、消防機関や水防団等の組織の整備、公共的団体や自主防災組織等の充実、住民の自発的な防災活動の促進を図り、市町村の有する全ての機能を十分に発揮するように努めなければなりません(第五条第二項)。
消防機関、水防団その他市町村の機関は、所掌事務を行う際は、第一項に定める市町村の責務が十分に果たされるよう相互に協力しなければなりません(第五条第三項)。

地方公共団体は、第四条第一項および第五条第一項に定める責務を十分に果たすため必要があるときは、相互に協力するように努めなければなりません(第五条の二)。

国や地方公共団体は、災害ボランティアによる防災活動の重要性を考慮し、ボランティアの自主性を尊重しつつ、ボランティアとの連携に努めなければなりなせん(第五条の三)。

指定公共機関や指定地方公共機関の責務

指定公共機関や指定地方公共機関は、第二条の二に定められた基本理念に則り、その業務に関する防災に関する計画を作成し、それを実施する責務があります。また、国や都道府県、市町村の防災計画の作成や実施が円滑に行われるように、都道府県や市町村に対し協力する責務があります(第六条第一項)。

住民等の責務

地方公共団体内の公共的団体、防災上重要な施設の管理者等の防災に関する責務を有するものは第二条の二に定められた基本理念に則り、法令や地域防災計画の定めに従い、誠実にその責務を果たさなければなりません(第七条第一項)。

災害応急対策や災害復旧に必要な物資等を供給する事業者は、第二条の二に定められた基本理念に則り、災害時においても事業を継続的に実施し、国や地方公共団体に協力するように努めなければなりません(第七条第二項)。

住民は、生活に必要な物品の備蓄といった災害への備えをし、防災訓練への参加や過去の災害の教訓の伝承といった防災に寄与する取り組みを行うよう努めなければなりません(第七条第三項)。

まとめ

私たち住民がの責務について書かれていました。備蓄や防災訓練の参加など、言われてみれば確かに防災の基本と言えることですが、きちんと法律でも定められています。

第七条第三項に記載されている「過去の災害の教訓の伝承」の表現は、2011(H23)年に発生した東日本大震災の教訓から2012年(H24)年の改正で追加されたものです(近年の改正についてはその10で説明しています)。東日本大震災が起きた三陸地方は、1896(M29)年の明治三陸地震や1933(S8)年の昭和三陸地震など、これまで何度も津波の被害に見舞われた地域です。その津波の恐ろしさを後世に伝えるため、各地に300基以上の石碑が立てられたのですが、時が経つにつれその存在は忘れ去られ、2011年の大きな被害に繋がりました。悲しい被害を繰り返さないためにも、過去の災害について学ぶことは、一人ひとりができるとても大切な防災だと思います。

国土交通省東北地方整備局の「津波被害・津波石碑情報アーカイブ」では、三陸沿岸に設置されている石碑が一覧で見ることができます。気になった方は、以下のウェブサイトをご覧ください。Internet Explorer以外ではうまく閲覧できないようです(Google Chromeはダメでした。ご注意ください)。

津波被害・津波石碑情報アーカイブ <国土交通省>東北地方整備局道路部

岩手県宮古市重茂姉吉地区にある石碑が有名ですね。以下のウェブサイトも合わせてご覧ください。

碑の記憶 | 地域存続へ重い戒め (宮古市重茂・姉吉集落)
 1896(明治29)年の明治三陸大津波や1933(昭和8)年の昭和三陸大津波の事実や教訓を刻んだ県内の石碑は200基を超え、今も東日本大震災の教訓を伝える碑が建てられている。さらに、津波に耐えて残った「震災遺構」の保存活用も進む。南海トラフ巨大地震や首都直下地震が懸念される中、先人が碑や遺構に込めた教訓を掘り起こし、...

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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